2022/03/08 お金

ローコストで二世帯住宅を新築!間取りや建築前のポイント

二世帯住宅の建築費用は可能な限り抑えたいものですが、自分たちの日々の暮らしを送る場所である点を考えると、ただ安ければいいというわけでもないですよね。

ローコストでもしっかりとした快適性がある二世帯住宅ができるのがベストではないでしょうか。

今回のコラムでは、建築費用を抑えながら二世帯住宅を新築するときの間取りづくりのポイントや建築前に知っておくとよいことなどを建築のプロである一級建築士の視点からご紹介します。

二世帯住宅をはじめてつくるという方は是非参考にしてみてください。

二世帯住宅の間取りのタイプと費用の関係性

二世帯住宅の間取りは共有の仕方で完全分離型、部分共有型、完全同居型の3つのタイプに分けることができます。

建築費用は間取りのタイプと相関関係があり、完全分離型がもっとも価格が高く、次いで部分共有型、完全同居型の順にコストを安く抑えることができます。

とにかく安く二世帯住宅を建てたいなら、完全同居型

とにかく安く二世帯住宅を建てたいのであれば、完全同居型の二世帯住宅とすれば最もコストを抑えることができるでしょう。しかし、完全同居型の二世帯住宅は、他の世帯とキッチンやお風呂、トイレなどの住宅設備やリビング、ダイニングなどの主要諸室を全て共有することとなります。

個人の時間価値も尊重する現代人の暮らしに対して、完全同居型の生活はストレスが多いかもしれません。

部分共有型の間取りはコストと満足度のバランス調整が可能!

完全分離型の二世帯住宅のように、1つの敷地の中でそれぞれの世帯が独立した生活を送るスタイルを実現できれば、生活を送る上でのストレスは確かに少なくなります。

しかし、建築費用が高くなってしまうのが難点です。

そこで、検討したいのが部分共有型の間取りです。部分共有型の間取りは、優先順位に応じた柔軟な共有部分の計画が可能で完全分離型の間取りに比べて費用を安く抑えられ、完全同居型の間取りよりもストレスを軽減することができます。

コストと満足度のバランスを調整しやすい点が良いところです。

二世帯住宅の各間取りタイプをつくるときのポイント 

二世帯住宅では暮らし方の異なる2世帯で新しい生活をつくっていくことになるので、ライフスタイルにマッチした間取りであるかどうかが重要なポイントになります。

どの間取りのタイプの二世帯住宅をつくるかが決まった段階でそれぞれの間取りタイプの特徴や作り方のポイントを改めてチェックしてみると良いでしょう。

企画型のローコスト二世帯住宅の知っておきたい話

ローコストの二世帯住宅の中に、住宅メーカーやビルダーから提案されている企画型の二世帯住宅があります。メーカーやビルダーから提案されている企画型二世帯住宅はコストを抑えるための様々な企業努力を行なっているため、とてもお買い求めやすい価格となっている店は魅力的です。

ただし、コストを抑える過程で間取りや仕様など、必然的にカットせざるを得ない箇所もあります。この項目では企画型二世帯住宅の特徴を簡単にご紹介します。

仕様や間取りの懸念点

企画型二世帯住宅では間取りや仕様などをカタログ的にまとめ、その範囲の中で顧客に好きなものを選んでもらうことで、設計のプロセスが簡略化されたスピーディーな設計・施工・引き渡しが実現されています。

手間が少ない分、費用も安くできますがパーツどうしの組み合わせなので、どうしても細かな家族のライフスタイルや要望に応え切るのが難しいこともあります。

建築現場の心配点

メーカーやビルダーの企画型二世帯住宅は、手軽にスピーディーに二世帯住宅づくりができることから、たくさんの方が注文します。

それは決して悪いことではないのですが、たくさんの受注があるということはそれだけ設計監理を行わなくてはならない現場の数が多いということです。1人の現場監督がいくつもの住宅現場を監督する状況が発生した際に、問題なく全てチェックしきるというのかなり大変なことというのは容易に想像がつくのではないでしょうか。

建築会社の選び方もいくつかポイントがあるので、参考程度にチェックしてみると良いでしょう。

提示されている坪単価や価格の注意点

ローコストを売りにした企画型二世帯住宅の広告では坪単価や価格が提示されています。もちろん、事実とは異なった情報が提示されていることは滅多にありませんが、この提示されている価格は建物本体のみにかかる金額の場合がほとんどです。

実際には、付帯工事費用や地盤の状態によっては地盤改良費用など本体以外にも費用がかかる項目があるので二世帯住宅の建築費用について改めて確認しておきましょう。

二世帯住宅の建築費用を抑えるために検討すべきこと

企画型の二世帯住宅ではなく、設計事務所などに二世帯住宅の設計をお願いする場合でも使える、コストを抑えるために検討すべきことをご紹介します。

構造を木造にしてみる

二世帯住宅のコストを抑えたいなら、建物の構造体から安くできる可能性を検討してみる方法もあります。建築の構造は、主に木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の3種類があります。この中で最も金額が安いのが木造です。

木造は軽くて加工もしやすい素材で、間取りの自由度が高くなるのも特徴なので、二世帯住宅との相性も良いと言えるでしょう。

1点、音を伝えやすいという材料の特性上、音の問題が発生する可能性があるのが懸念点です。事前に音の問題への対策方法などを知っておくとよいでしょう。

室数を減らしてみる

二世帯住宅に限らず、室数の多い建物はそれだけ壁や設備などが増えます。室数が増えるごとに、建築費用も高くなるのが一般的です。

室数が少なくなると言っても建築の床面積を減らすというわけではなく、室数を減らした分の面積をリビングやダイニングなどの共有スペースに当てます。

ローコストで二世帯住宅をつくるには、スマートで合理的な間取りづくりを行うことがポイントの1つになってきます。

こだわりたいポイントの優先順位を明確にする

ローコストで二世帯住宅を建築するなら、仕様のグレードを部分的に調整することも検討してみましょう。重要なのは安さだけを追求しないことです。建物本体や住宅設備などはどんなに丁寧につかっていてもいつかはメンテナンスが必要になります。ライフサイクルコストのバランスを意識してみましょう。

一点豪華主義にしてみる

例えば、キッチンやお風呂など、こだわりたい場所にだけ費用をかける「一点豪華主義」の考え方をすれば、全体の住宅設備の性能を底上げするよりも費用も安く済みますし、より上質で高級な住宅設備の導入を実現できます。予算に限りがある場合でも計画段階で、どこにお金をかけるのかをしっかり整理すると満足度の高い二世帯住宅をつくることができます。

場合によってはリノベーションも!

例えば、親世帯が不動産物件を所有されている場合には、リノベーションによって二世帯住宅を取得すると新築よりも費用を抑えることができます。親世帯が所有している不動産物件を活用する場合は、土地代はかかりませんし、リノベーションの費用も全面的な改修ではなく、部分的な改修とするなど、改修部分をコントロールすることで費用を格段に安く抑えることが可能になります。

既存建物に手を加えるリノベーション特有の問題点や注意点もあるので、あらかじめどのような点に注意するべきなのか理解しておくとよいでしょう。

ローコストで二世帯住宅を新築する前にすべきこと

二世帯住宅での暮らしや将来どのように建物を扱うかなど、事前に家族間で話したり決めたりしておくと良いことなどもあります。

二世帯住宅の光熱費をどうするか話しておく

二世帯住宅では、光熱費をまとめる場合と世帯毎に分ける場合があります。

光熱費を世帯毎で分ける場合、基本料金は世帯毎に支払う必要があり、メーターも世帯分の設置が必要となります。

世帯毎の光熱費の使用量を明確にするための小メーターを導入や後からでも光熱費を分けることができるような設計のポイントなども知っておくと良いでしょう。

二世帯住宅に関わる税金について知っておく

二世帯住宅では相続や登記などが話題になります。

小規模宅地の特例などはよく出てくる優遇制度の1つです。税金対策の要件を満たす設計を依頼する際に、どの制度を活用したいのかを整理しておくことが重要です。

二世帯住宅の将来の活用方法について理解しておく

ローコストで二世帯住宅を建てると、初期費用にかかるコストが安くなり建て替えのハードルが低くなります。

例えば、完全分離型の二世帯住宅では将来賃貸物件として活用できる可能性が高いでしょう。しかし、住宅用途から異なる用途に変更する際には満たすべき法的な条件などがあります。自分の二世帯住宅は将来的にどのような活用方法があるのか、活用する際にはどのような手続きを踏む必要があるのかを正しく理解しておきましょう。

コストと満足度のバランスがよい二世帯住宅を!

私たちは二世帯住宅の設計実績のある一級建築士事務所です。

一級建築士事務所として、建築法規や技術など建築に関する専門的なノウハウを駆使してお客様の二世帯住宅づくりを徹底的にサポートいたします。

限られたご予算でも、ご家族の生活にマッチした満足度の高い間取りの二世帯住宅をご希望の方はお気軽にご相談ください。