2022/02/11 間取り

二世帯住宅へのリノベーションの費用や注意点などを解説!

近年人気のリノベーション。既存建物をリノベーション して二世帯住宅を取得される方も増えました。親世帯がすでに所有している戸建て住宅をリノベーションによって二世帯住宅にすれば、新築するよりも圧倒的に費用を抑えることができます。

今回のコラムでは、ここ数年でメジャーになってきた二世帯住宅へのリノベーションについて解説します。建築費用や注意点、リスクなど、これからリノベーションをして二世帯住宅の取得をご検討されている方の参考になる内容となっています。

 

二世帯住宅へリノベーション?リフォーム?

リノベーションと混同しがちなのがリフォームです。リフォームとリノベーションは似ていますが、費用も依頼先も異なります。ここで一度、リフォームとリノベーションの違いについて触れておきます。

 

二世帯住宅へのリフォームとは?

リフォームはお風呂、トイレ、キッチンなどの住宅設備や壁紙などを刷新したりすることを指します。リフォームはもともと賃貸などで退去する時に行われる「原状回復」に由来しています。二世帯住宅へのリフォームの場合は、手すりの設置や、トイレの扉を開き戸から引き戸へ変更するなど、バリアフリーに関する内容が多いです。ほかにも畳をフローリングに変えて、子世帯の暮らしの趣向に合わせたりなどがあります。

 

二世帯住宅へのリノベーションとは?

二世帯住宅へのリノベーションは住宅設備や内外装の刷新も行いますが、壁や天井、床など間取りに関わるところまで変更します。例えば、壁の解体撤去を行い2室だった場所を1室の広い空間にするなどがあります。リノベーションは間取りにまで影響が及ぶ点がリフォームとは異なります。二世帯住宅では、二世帯の暮らしに間取りを合わせるためにリノベーションを行うのが一般的です。

 

二世帯住宅へのリノベーションのメリット、デメリット

二世帯住宅へのリノベーションには様々なメリット、デメリットがあるので、ここでご紹介します。

 

コストが安い!

二世帯住宅へのリノベーションの最大のメリットは新築よりも費用を安く抑えることができる点です。近年では親世帯が所有されている住宅をリノベーションして二世帯住宅にするというパターンがメジャーです。リノベーションの仕方によっては、住みながらの改修も可能で工事中の余計な家賃を節約できる場合がある点も費用を安く抑えられるポイントです。

 

工期が短い!

リノベーションは工期が短いです。新築住宅の場合に必要な「確認申請」という手続きがリノベーションの場合は求められません。コスト、スケジュール面で都合が良いのがリノベーションで二世帯住宅を取得するメリットでしょう。

 

間取りに制限がかかる場合がある…

デメリットは間取りの自由度が新築に比べると低い点です。リノベーションは間取りの変更ができるとはいっても、地震などの災害から安全を確保するために重要だとされている壁や柱などの主要構造部分は撤去できません。二世帯住宅の間取りの失敗を回避したくても、どうしても難しい場合が発生してしまうのが二世帯住宅へのリノベーションのデメリットです。

 

着工して問題に直面する場合も…

リノベーションの場合は着工してから、図面と躯体の整合性が取れていなかったなどの問題が発覚する場合があることがあります。このような不整合の箇所が構造的に重要な部分であった場合には、計画の変更などが生じる場合があります。その際には工期の遅れや費用が余計にかかったりなどの問題が発生する場合があります。リノベーションを行う場合には、着工して解体作業をして初めてわかる躯体の情報があるという点も理解しておくべき重要な点です。

 

二世帯住宅へのリノベーションの規模や費用について

この項からリノベーションの規模と費用に関する内容をご紹介します。リノベーションを行う際には、どの程度の規模感が二世帯住宅として使える規模感なのか、理解することが重要です。また、費用についても、リノベーションの費用が高額になる場合や要望の内容、既存建物の状態によっては新築を検討した方が良い場合もあります。

 

「二世帯住宅へリノベーションする際にはどの程度の大きさの建物が必要ですか?」

二世帯住宅へのリノベーションのご相談の中で「この広さの住宅でも二世帯住宅にリノベーションすることはできますか?」というお話が多い印象です。私たちは建坪が20坪以下の場合の住宅をリノベーションして二世帯住宅にするのはおすすめしていません。私たちは基本的に建坪30坪が二世帯住宅のプランの最低限の目安として考えています。

ご自身の所有する建物の建坪が30坪あるかどうかを一度判断基準にしてみてください。もちろん30坪以下の場合でも、既存建物の間取りや構造によっては実現可能な場合もありますがあまりおすすめはできません。

 

二世帯住宅へのリノベーション費用はどのくらいですか?

二世帯住宅のリノベーションは安く収まるといっても、一体どれくらいの金額がかかるものなのでしょうか。リフォームとリノベーションを混同されている方が一番驚いてしまうのがこの費用感です。予算を大幅にオーバーしてしまうことがないように、住宅をリノベーションする際の最低価格のラインをざっくりとつかんでおきましょう。

 

二世帯住宅へのリノベーションは最低1000万円からって本当ですか?

二世帯住宅のリフォームの場合は数十万円から高くて数百万円という感覚ですが、リノベーションの場合はことなります。マンションの一室のリノベーションでも、工事面積によっては1000万円近くかかることもあります。先ほど紹介した建坪30坪の戸建て住宅をリノベーションする場合でも1000万円以上かかる可能性は十分にあり得ます。

 

二世帯住宅へのリノベーションの費用が2000万円以上かかる場合は新築も検討しましょう

 二世帯住宅へリノベーションをする際に、ご家族の要望を全て満たすために2000万円以上かかってしまう場合は新築も検討してみてください。親世帯の所有物件をリノベーションする場合に2000万円以上かけるなら、既存建物を解体して二世帯住宅を新築したほうが、良い場合があります。既存建物の記憶を後世に残していけるリノベーションの魅力もあります。どちらにするべきかを自分たちで悩んでいても判断がつきにくいので、悩んでしまったら建築の専門家に相談してみましょう。

 

二世帯住宅へリノベーションする際の注意点!

前項でも触れましたが、二世帯住宅へリノベーションする際には、調査の段階で壁や天井を壊して中の構造体を確認するということができない場合があるため、リノベーション工事が始まった段階で既存建物の状態を明確に知ることになります。木造や鉄骨造の場合は既存建物の図面と異なる構造体である場合もあり、計画や工事に大きく影響します。このような問題が発覚した場合は、安全性を確保するために計画の変更が求められるケースも…

スケジュールやコストに対して影響が出るので、リノベーションを行う際は工事が始まってからの変更が生じる場合も想定しておくと良いでしょう。

 

二世帯住宅のリノベーションの相談先を間違えないように注意!

二世帯住宅へリノベーションをする際は基本的に確認申請が必要ありません。確認申請が必要ないということは、建築士資格を有していなくても計画を行うことができるということです。まれに建築設計に精通していない家具職人が、構造的に主要な箇所かどうかの判断がつかないまま闇雲に壁や床を解体撤去してしまうケースもあります。安全に二世帯住宅へのリノベーションを行うのであれば、一級建築士事務所登録を行なっている設計事務所に依頼するのが良いでしょう。ただし、設計事務所の選び方にもポイントがあります。相談先で迷われている方は、こちらを参考にしてみてください。

 

二世帯住宅の間取りや設計、リノベーションでお困りの方

私たちは二世帯住宅の設計実績のある一級建築士事務所です。一級建築士事務所として、法律や技術など建築に関する専門的なノウハウを駆使してお客様の二世帯住宅づくりを徹底的にサポートいたします。ご家族の生活に合致した間取りの二世帯住宅をご希望の方は是非ご相談ください。