2022/03/25 お金

土地を買う際のポイント!二世帯住宅の土地購入で迷ったら!

二世帯住宅を新規で取得しようとする場合、土地の購入から検討されることもあります。しかし、土地の購入は一般的にそれほど経験する機会が少なく、初めての経験になるという方がほとんどではないでしょうか。

そこで今回のコラムでは、二世帯住宅取得に向けて初めて土地を購入する方の不安を少しでも払拭するために、理解しておきたい土地を買う際の基本的なポイントをご紹介します。

 

土地を買う前に理解しておきたいこと

土地を買う前に理解しておきたいことは次の3点です。

 

  • 接道義務
  • 用途地域
  • 建蔽率(=けんぺいりつ)と容積率(=ようせきりつ)

この3つは、土地を買う際に理解しておきたい内容です。次の項でそれぞれ解説します。

 

接道義務とは?

接道義務を簡単に紹介すると、「敷地の間口が道路に2m以上接していない場合は建物を建てられない」というルールです。

接道義務の話が出た際の道路という言葉が示すのは、幅が4m以上の道路を一般的に指します。他にも指定がある場合には6m以上となる場合もあります。

接道義務が満たされていない土地は基本的に購入物件の中に入ることはないですし、売買を担当している不動産会社の担当者などから接道義務を満たしていない場合は説明があるでしょう。

例えば、両親や知人が所有している土地を購入する際などに稀にあるケースとしては、過去に土地を購入した時点では満たせていた接道義務が都市開発や都市計画の変更によって接道義務を満たせなくなってしまっているケースでしょうか。

このような場合には、行政機関との協議が必要となったり、最悪の場合は計画が頓挫したりすることにつながることも。

接道義務に関しては、売買を担当する不動産会社も確認しているとは思いますが、一級建築士がいる設計事務所などでは再度土地の状況を確認してから設計にあたるので、ご心配の方は一級建築士がいる設計事務所に相談してみるのもよいでしょう。

設計事務所では、土地購入の段階からサポートをしてくれる事務所も多いので、暮らしのイメージを伝えながら一緒に土地探しをする方法も効果的でしょう。

 

用途地域とは?

用途地域は都市計画区域の市街化区域に対して定められています。

二世帯住宅は原則的に市街化区域内にしか建てることはできませんので知識として理解しておきましょう。

二世帯住宅を建てる際に関係してくる用途地域は住居系の用途地域が一般的です。

住居系の用途地域は次の4つありますのでご紹介します。

 

  • 第一種低層住居地域
  • 第二種低層住居地域
  • 第一種中高層住居地域
  • 第二種中高層住居地域

 

二世帯住宅を建てるなら、「第一種低層住居地域」または「第二種低層住居地域」が良いかと思います。なぜなら、戸建て住宅を建てる住環境として良い状態を保つために決められている地域だからです。

用途地域を知るには土地を購入する際に不動産会社に聞いたり、設計を依頼する予定の設計事務所に土地を調べてもらったりすることで確認することができます。ご自身で確かめたい場合は、行政機関(役所)のホームページで用途地域を検索したり、直接担当の課に問い合わせたりすることで確認することができます。

 

建蔽率、容積率とは?

建蔽率と容積率は、建築設計業界、不動産業界では頻出する用語ですが、普段の生活ではあまり聞きなれないかもしれません。建築基準法の建蔽率(けんぺいりつ)や容積率(ようせきりつ)によって敷地に建てられる建物の大きさの割合が決められています。

 

建蔽率とは?

敷地面積に対する建築面積(建坪)の割合を指します。建蔽率は土地がある市区町村の役所に問い合わせたり、役所のウェブサイトで調べたりすることで確認できます。

 

容積率とは?

敷地面積に対する建築延べ面積の割合のことです。こちらも建蔽率と同様の方法で確認することができます。

 

二世帯住宅が建つのは住居系地域のため、だいたい建蔽率が50~60%、容積率は200%程度となることが多いでしょう。緩和が適用された場合には建蔽率が引き上げられる場合など敷地条件によって建築できる規模が変わることはよくあるので、事前にしっかりと建築可能な規模について確認することが重要です。建蔽率と容積率をしっかりと把握することで建築可能な二世帯住宅の規模を知ることができます。予算や間取りのイメージを掴むためにも非常に重要です。

それでは、実際に建蔽率と容積率から建築可能な二世帯住宅の規模の算出の仕方をシミュレーションしてみますので、参考にしてみてください。

 

【例30坪の土地】

建蔽率60%、容積率200%の30坪の土地の場合で考えると、次のように建築可能な規模を算出することができます。

 

30坪(敷地面積)×0.6(建蔽率60%)=18坪(建築可能な建築面積)

30坪(敷地面積)×2.0(容積率200%)=60坪(建築できる建物の延べ床面積)

 

その他の法的な条件もありますが、仮に建蔽率と容積率だけでこの土地を最大限活用できるとすれば、1フロア18坪で60坪の延べ床面積の建築物が建築可能ということがわかります。大体3階建てくらいまでは建てることができるということですね。

 

土地を買う流れ

土地を買う際には基本的に土地の売買を行う不動産業者などの専門業者に相談することになるかと思います。土地を買う際の流れを簡単にご紹介すると次のようになります。

 

  1. 土地を買う地域を決める
  2. 土地売買業者に土地探しを依頼
  3. 土地が見つかった際に、土地の状況調査を依頼(地盤など)
  4. 土地を確認しにいく
  5. 土地条件の調査を依頼(建築基準法、都市計画法や行政機関などとの折衝など)
  6. 買付証明書の提出
  7. 住宅ローンの事前審査
  8. 土地売買契約
  9. 住宅ローンの本審査申し込み
  10. 金銭消費賃貸契約(=金消契約)
  11. 土地購入

土地購入前に気に入った土地でどのような二世帯住宅のプランが可能かどうかを調べると予算の見積もりなどがスムーズになります。

 

土地を買う際の注意点

この項では土地を買う際の注意点をご紹介します。事前に理解しておかないと、あとになって余計な費用がかかってきてしまうかもしれません。しっかりと理解しておきましょう。それでは、早速ご紹介していきます。

 

セットバックの有無を確認

これは、接道義務にも関係する話です。道路の幅員が4mに満たない場合は、定められた道路の幅員を満たすように敷地をセットバックする必要があります。例えば、3mの道路であれば1m敷地を下げて道路の幅員を満たすようにするというイメージです。

セットバックが必要な土地かどうかは、不動産業者やまたは設計事務所に依頼することで確認することが可能です。ご自身の二世帯住宅の計画がセットバックによってうまくいかなくなってしまった、などということにならないように事前にしっかりと確認しておきましょう。

 

地盤について

土地を購入し、建築設計が進む過程で地盤の状態の確認が必要になります。地盤の状態が悪い場合には、安全性を確保するために地盤改良を行わなくてはなりません。この地盤改良費用は場合によっては高額な費用になることも。

土地の購入の際に地域の地盤の強度に関する情報を当たるなどして盤石な地盤が多いエリアかなんとなくでも良いので確認しておくと良いでしょう。

地盤以外でも、特に地方の場合では、「土地の造成」、「インフラ整備」、「農地転用」、「境界杭の整備」などが必要になる場合がありますので、不動産会社や設計事務所などの専門業者と協働するなどして確実に建築の計画を進めていくと良いかと思います。

 

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