二世帯住宅はデメリットだらけというのは本当なのか?
目次
二世帯住宅はデメリットだらけなんていう話を聞いたことがあるかもしれません。
確かに二世帯住宅にはデメリットが存在します。しかし、しっかりと対策を行うことで二世帯住宅のデメリットは回避することが可能です。
今回のコラムでは、二世帯住宅での一般的なデメリットの話にあわせて、そのデメリットを緩和する方法を合わせてご紹介していきます。
二世帯住宅はデメリットだらけ?
この項目では二世帯住宅のデメリットについて代表的なものをご紹介していきます。
二世帯住宅のデメリット:生活習慣の違いによるストレス
二世帯住宅では親世帯と子世帯の2世帯が同時に生活をします。その際に問題になるのが各世帯の生活習慣の違いによるストレスです。
家にいる時間が長くなる親世帯と働き盛りの子世帯とでは、生活習慣やリズムが異なります。
食事や入浴、睡眠など様々なシチュエーションで生じる微妙なズレが世帯間のすれ違いなどを生みストレスの要因となってしまうのです。
二世帯住宅のデメリット:お互いの行動に過干渉になる
二世帯住宅の生活では、ちょっとしたことでも干渉されてしまうタネになってしまうのがデメリットとしてあげられるでしょう。
休日の外出時にどこにいくのか確認されたり、子どもの教育のことなどに関しても言及されたりすることなどもあります。
来客があるとどこのだれなのか聞かれるなど、お互いの行動に対して過干渉になってしまう点はデメリットとして考えられるでしょう。
二世帯住宅のデメリット:プライバシーがなくなる
さきほどのお互いに過干渉になってしまうという点に関係する内容にもなりますが、二世帯住宅での生活では場合によってはプライバシーがなくなってしまうこともあります。
プライバシーの確保に関しては二世帯住宅の間取りのタイプも関係してきますが、基本的には1つの建物に2世帯が住んでいる状況なので、親世帯と新たに生活をすることになる配偶者にとっては、プライバシーがない状況というのは精神的にストレスを感じやすい環境となってしまいます。
二世帯住宅のデメリット:生活費の費用負担で揉めることも
二世帯住宅でよくあるトラブルのひとつに世帯間の生活費の費用負担をどのように取り扱うかというのがあります。特に光熱費は世帯間で最初にどのように取り扱うか決めていても生活を送っていくなかで変更したいことが生じるなど、トラブルの元になります。
後からでも光熱費の取り扱い方を変える方法などはあるのかなど事前にしっかり把握しておくことが重要になります。
二世帯住宅のデメリット:二世帯住宅の売却が困難
二世帯住宅を取得する際に、将来売却することも想定して取得する方もいらっしゃるかと思いますが、二世帯住宅は売却しようとしても売れづらいのが現実です。
市場競争力がほとんどないのが実際のところですので、二世帯住宅を利用しなくなった場合に売却しようと考えている方は簡単に売却ができないことをあらかじめ理解しておくとよいでしょう。
二世帯住宅の間取り毎のデメリットを理解しておきましょう。
この項目では完全同居型、部分共有型、完全分離型の3つの間取りタイプにおけるデメリットをご紹介します。
完全同居型の二世帯住宅のデメリット
完全同居型の二世帯住宅は1つの建物の全てを二世帯で共有する間取りタイプです。住宅設備などの数が少なく済むのでコストは安くなりますが、プライバシーの確保が難しくなるのがデメリットです。
1人になれるスペースが少ないのもデメリットとして挙げられます。
部分共有型の二世帯住宅のデメリット
部分共有型の二世帯住宅のデメリットは生活が部分的に共有されていることによる生活費用の負担割合の不明確さが挙げられます。例えば、光熱費などの費用をどちらがどれだけ使ったのかがわかりにくいためトラブルになる場合があります。
また、生活音が共有する部分によっては伝わりやすいことも注意点として挙げられます。
完全分離型の二世帯住宅のデメリット
完全分離型の二世帯住宅のデメリットは住宅設備などを各世帯に1つずつ設けることになるため、建築コストは高くなるということです。
生活が完全に分けられているので、家族の変化に気付きづらいなどといった点もデメリットとして挙げられるでしょう。
二世帯住宅のデメリットを回避するには?
これまで二世帯住宅のデメリットについてご紹介してきましたが、この項目では二世帯住宅のデメリットを回避する方法をご紹介していきます。
二世帯住宅のデメリットを回避するポイントは「間取り」「相談先」「遮音性」「話し合い」の4点です。
二世帯住宅のデメリットを回避する間取りづくり
二世帯住宅のデメリットを回避する上で重要なのが、ご家族のライフスタイルにあった間取りの計画とすることと、それぞれの間取りタイプの弱点を補うように間取りづくりをすることです。
例えば、完全同居型なら住宅内でプライバシーが確保されやすいように洗面室と脱衣室が扉で分かれるようにつくったり、部分共有型なら共有する部分の使い方の違いをデザインに取り入れ、それぞれの世帯が使用する領域を明確に分けたりなど、それぞれの間取りのタイプの弱点を補うように間取りを計画することが大切になってきます。
二世帯住宅のデメリットを回避する相談先は?
二世帯住宅のデメリットを回避したいなら、よい相談先に建築設計の依頼をすることが重要です。ハウスメーカー、工務店、設計事務所など様々な相談先がありますが、要望の内容を細かく反映してもらえ、間取りの設計の自由度が高い設計事務所へ相談するのが二世帯住宅の場合は向いています。
ハウスメーカーは規格に沿った内容の住宅づくりが主体となるので、間取りやデザインの自由度が少なくなってしまいます。また。工務店はそもそも設計業務に精通していないことも少なくないので、やはり設計のことは設計事務所に相談するのが良いでしょう。
二世帯住宅のデメリットを回避する遮音性能
二世帯住宅のデメリットの発生要因で音の問題は比較的大きな部分を占めます。小さな子どもがいる場合では、足音や物音などが響きやすく、また生活習慣の違いから、親世帯が朝早い時間から活動している生活音は聞こえてきたり、逆に夜遅くまで起きている子世帯の生活音が聞こえてきたりなど、音の問題が発生します。音の問題の発生を防ぐのにも住宅の遮音性能をあげることが重要なのです。
二世帯住宅のデメリットを回避するには話し合い
二世帯住宅を建築する際には、家族どうしの話し合いが最も大切です。
親だから、子だからといってわかっている気にならずに、しっかりとお互いのライフスタイルを理解することに努める姿勢を持って話し合いを行うと良いでしょう。
特に、光熱費など費用負担のことや相続のことなどについては事前にしっかりと話し合っておくことが重要です。
二世帯住宅はデメリットだらけではない?二世帯住宅のメリット
これまで二世帯住宅のデメリットとそのデメリットへの対策を紹介してきましたが、実際に二世帯住宅はデメリットだらけなのかというと、そのようなことはなくメリットもしっかりと存在します。この項目では二世帯住宅のメリットをご紹介します。
二世帯住宅のメリット、経済的負担を減らせる
住宅を建てるのには大きな費用がかかりますが、二世帯住宅であれば親世帯と子世帯で協力して住宅を建てることが可能です。特に親世帯が既に土地を持っている場合などは、土地取得費用などをカットすることができるので、大幅な費用の削減をすることができるでしょう。また、事前にしっかりと確認しておくことで、税金や光熱費などの費用の削減ができる場合もあります。
二世帯住宅のメリット、育児、介護などでお互いにサポートが受けられる。
二世帯住宅は1つの住宅で2世帯が生活を行います。子どもが急に体調を崩して面倒を見なくてはならなくなってしまったとき、急に休みをとるのがなかなか難しいときがあります。そのようなときに親世帯がいることで、子どものケアをお願いすることができますし、一方で高齢の親世帯は体力の衰えを感じたときや体調の変化などを感じたときに子世帯がいることで相談したり介護をしてもらったりなど、お互いにサポートを受けられる点も二世帯住宅のメリットと考えられるでしょう。何かのときに家族がすぐそばにいることはとても心強いことです。
対策をしっかりしたデメリットだらけではない二世帯住宅づくりを目指しましょう。
二世帯住宅がデメリットだらけに感じてしまうのは、間取りや話し合いなど、事前の対策がしっかりとできていないことが原因です。
信頼のおける相談先にしっかりと相談し、デメリットのない理想の二世帯住宅づくりをめざしましょう。
二世帯住宅の間取りや設計、リノベーションでお困りの方
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