2022/02/10 間取り

中古の二世帯住宅の売却や賃貸の注意点!

将来的に二世帯住宅を売却、賃貸したい方や実際に今売却や賃貸をご検討されている方のために、よくある注意点をご紹介します。

 

二世帯住宅は中古で売れない!?

中古の二世帯住宅を売却するのは、なかなか難しいです。

売却する際には、建物の本体価値がほとんどない状態で売りにだされることもしばしば。

それでは、なぜ中古の二世帯住宅は売却しづらいのでしょうか。

次の項でその理由をみてみましょう。

 

二世帯住宅が中古で売れない3つの理由

二世住宅が中古で売れない主な理由は次のものがあります。

 

・二世帯住宅は新築が選ばれやすい

・間取りが合わない

・売却されている二世帯住宅はイメージが悪い

 

これらの理由から、二世帯住宅を中古で売るのが非常に難しくなります。

それぞれの理由について簡単にみてみましょう。

 

二世帯住宅は新築が選ばれやすい

二世帯住宅は新築される方が圧倒的に多いです。

理由は建築費用を二世帯で負担できることにあります。

住宅の取得は一生に一度の大きな買い物です。

 

「後悔しないためにも自分たちにあった二世帯住宅を新築で建てたい」

 

と考えるのは自然なことですよね。

 

中古の二世帯住宅の間取りが合わない

賃貸の間取りを選ぶのとは違い、物件を購入するとなると間取りの精査も非常にシビアになります。二世帯住宅は間取りが合わないことで発生するストレスが普通の1世帯で暮らす場合に比べて多いので、特に慎重に間取りが見られるのです。

 

間取りのタイプが3種類ある二世帯住宅では、求めているタイプに該当しないだけで購入対象から外れてしまうので、買い手に選ばれる確率が少なくなりやすいのです。

 

 

売却されている二世帯住宅はイメージが悪い

意外と知られていないのが、中古で売りに出されている二世帯住宅のイメージが悪いと思われていることです。

 

「中古で二世帯住宅は安そうだ」と考えていた方も実際の物件を目の前にして、購入が現実味を帯びてくると、「売りに出されているということは、過去に何かあったのではないか?」と思い始めるがよくあります。

 

特に減価償却が終わっていない二世帯住宅が売りに出されている場合は、様々な想像が膨らんでしまいます。

実際に悪いことが起きて売りにだされたわけでなくても、購入検討者は「親世帯と子世帯が仲違いしてしまったのではないか?」、「住み心地がよくなかったのではないか?」などと考えてしまう傾向があるのです。

 

二世帯住宅の賃貸の可能性は?

「二世帯住宅は将来的に賃貸利用がしやすい」という情報をよくみます。

確かに、二世帯住宅は長屋型の集合住宅やシェアハウスなどの形で賃貸することが可能です。

 

賃貸する際にも注意すべきことを解説します。

 

二世帯住宅の中古を賃貸する際の3つネック

賃貸市場で選ばれる物件にするには、賃貸不動産市場におけるニーズに応えられる間取りや仕様でなくてはなりません。

 

賃貸利用の可能性を検討する際にネックになるポイントは次の3つです。

 

・住宅設備が古くなっている

・音やプライバシーの問題

・交通アクセスや利便性の問題

 

住宅設備が古くなっている

住宅設備の型が古いのは、それだけで入居者からのイメージがマイナスになります。

水道設備やガス給湯器、電気設備などは次々に新しいものが出され、機能がアップデートされています。

築浅のアパートやマンションなどの住宅設備や仕様は性能も良く、高機能のものが多いので、賃貸市場での競争で勝てないケースが多いです。

 

プライバシーや音の問題

例えば、止むを得ない理由でどちらかの世帯が出て行った場合、空いたスペースを賃貸することが検討されます。

 

入居者が入った場合に、今まで家族だから許せていた音やプライバシーのことが気になるということが多々あります。

 

貸主も借主もお互いに気を使う必要がでてくる上、最悪の場合はトラブルになることもあるので、賃貸を検討する際は慎重に考えた方がよいです。

 

交通アクセスや利便性が悪いことが多い

賃貸選びの重要な判断基準になるのが利便性です。

「駅から徒歩何分か?」、「周辺にスーパーやコンビニはあるのか?」など、賃貸に住まわれた経験がある方なら必ず気にしたことがあるでしょう。

 

二世帯住宅は事業性の高いアパートやマンションなどと比べ、駅から距離がある土地に建てられることが多いです。

 

周囲にコンビニやスーパーなどがなかったり、車での移動が前提となったりと、賃貸利用を検討されている方から選ばれにくくなることが多いのです。

 

二世帯住宅を将来的に有効活用するためのポイント!

ここまでの内容を読むと、一見、二世帯住宅の有効活用の可能性が低いように感じてしまいますが、将来的な有効活用の可能性を少しでも高めることは可能です。

 

ポイントは設計段階の際に将来的な有効活用を考えていることを設計者に伝えることです。

 

これを伝えていると、設計者側も将来の活用の方法について検討することができ、間取りづくりを工夫することができます。

 

賃貸や売却の可能性を高める鍵は間取り!?

将来的な活用方法は二世帯住宅の間取りのタイプによって異なることを理解しておきましょう。それぞれの間取りのタイプと考えられる活用例を簡単にご紹介します。

 

・完全分離型

→共同住宅、SOHO(事務所併用型住宅)、サ高住(サービス付き高齢者住宅)など

 

・共有型(部分共有型・完全同居型)

→シェアハウス、寄宿舎、民泊、老人施設など

 

どの間取りのタイプでも将来的な有効活用の可能性があるので、気になる方はご自身の二世帯住宅の間取りに最適な活用の可能性を設計者に相談してみるとよいでしょう。

 

 

中古の二世帯住宅を活用する際に必要になること!?

二世帯住宅を特殊建築物(=住宅・事務所以外の用途の建築物)として活用する際は、用途変更(=コンバージョン)にあたります。

 

そして、用途変更を行う際には、変更する用途に応じて建築基準法で定められている要件に適合させる必要があります。簡単に言うと、二世帯住宅をそのまま他の用途として転用することは認められないので、認めてもらうために防火設備などを新たに設置する工事が発生するということです。

 

リノベーションについてもしっかりと要件を整理しないと、建築基準法に反することになるので、自己判断せずに建築設計のプロにしっかりと相談することが重要です。

 

二世帯住宅を中古で活用する場合の相談先は?

ハウスメーカーでは、用途変更の設計といった高度なものには対応できません。そのため、私たちのような一級建築士事務所に相談することになります。将来的な有効活用を行う前提である場合には、同じ設計事務所に再度依頼するとスムーズな場合が多いことを理解しておきましょう。

 

二世帯住宅の間取りや設計、リノベーションでお困りの方

私たちは二世帯住宅の設計実績のある一級建築士事務所です。

一級建築士事務所として、法律や技術など建築に関する専門的なノウハウを駆使してお客様の二世帯住宅づくりを徹底的にサポートいたします。

 

ご家族の生活に合致した間取りの二世帯住宅をご希望の方は是非ご相談ください。